機関車工作にBlenderを使った話
今年もやって参りました、Blender Advent Calendarの季節が。今回は映像の話題ではありません。もちろん2020年も色々映像は作り、中にはBlenderを使っているものもあるのですがまだ話を出来る状態では無いので来年に。
「機関車」です。流石に本物では無いですが、人を乗せたり引っ張ったり出来る大きな模型です。イベントの時に広場に現れるミニSLと同じ規格と言えばその大きさが伝わるでしょうか。蒸気ではないですがその電動機関車作りにBlenderを使った話をしていきます。
このブログの前の記事と重複するところもありますが、そこは今回の企画向けの記事のためご了承を。機関車そのものについてより詳しく見たい方はそちらをご覧下さい。
まずは機関車の写真をどうぞ。
「D2」と名付けています。幅230mm、長さ560mmと小ぶりで可愛い自動車用バッテリーで動く機関車です。ボンネットに人が乗って運転もできます。
ヘッドマークは流行りに乗っているだけです。
実際に走らせている時の写真がこちら。なお、運転しているのは雪夜彗星ではありません。左、長野県ログコテージ・エポックさんにて。右、愛知県つくで手作り村高原鉄道さんにて
■設計
こんなんCADの方が向いてるやろ、と言われるとそれまで。だって使い慣れてるんだもんblenderの方が。
色もすぐに自在に変えられるので様々なもの検討しました。
ただ万事この設計通りに作られる事はなく、色んな事情があって大きくなったり小さくなったりする箇所が出てくるので現物合わせで調整します。
■板材切り出し図面の作成
これこそCADでやれって話ですが、やっぱりblenderを使います。
機関車の設計が終われば、まず合板を切り出しだすにですがホームセンターで売っている状態だと大きすぎるので直線カットで済むところはお店で切って貰います。その時にスタッフさんに「こんな風に切って」とお願いする図面もblenderで作ってしまいました。
合板サイズの平面を作って単位の設定。あとは分割やナイフツールを使ってポリゴンを起こしていきます。
こんなん3D CADどころか2D CADでも良さそうですが、使いこなせないので。
blenderで作った依頼図を元に切り出された木材たちがこちら。これらが組み立てられて、
色が塗られて、
ひとまずの完成となりました。
■ディテールアップパーツの作成
・グリル
・ヘッドライト部パーツ
・軸受け(ピローブロック隠し)
Beanに読み込ませるためのスライサーソフトにはCHITUBOXを使ってます。ヘッドライト枠部分のパーツでのスクリーンショットがそれですね。ヘッドライトの枠も実は凝ってて色々形を作っていました。
ちなみにヘッドライトと一緒に出力している窪んだ円筒形のものはテンショナーでしたがうまく使えなかったのでまだ試行錯誤してます。
使用レジンはいずれもSKレジン様の水洗いレジンです。
なんでこんな事にblender使ってんだ、という方もいるでしょうが、ひとえに使い慣れているからです。適材適所にあったソフトを都度都度勉強していくのも良いですが、時間がかかってしまいそれだけ完成も遅れてしまうのでそれっぽい事ができるのなら自分の持っている技術の範囲内で済ませてしまっています。
億劫になりそうなところはできるだけ避ければよいのです、趣味なんですから。
Blender関係無いですが、石炭を燃やして本当に蒸気で動くフォルテの工作の状況がこちら。模型エンジンで有名な小川精機製のキット。8月からずっと作っています。(注:家です)
運転している時の私。暖かくなってきたらどこかにレイアウトに持ち込んで走らせる事でしょう。運行情報は私のTwitterアカウントで「#福堀軽便鉄道」のタグをつけて発信しますので気になった時に検索してみて下さい。
楽しいですよ、乗用鉄道模型。1万円で作ってしまう人もいるらしいですよ。