福堀軽便鉄道「D2」機関車製作記-壱
皆さん、楽しんでいますか!エア軽便模型祭2020!
オンライン開催だと持っていくのが大変な大きな模型でもこうして参加できるので良いですね。ライブ配信もこちらで9/20 14:00~頃から配信予定ですのでお時間ある方は合わせて是非。
さて、このイベントに合わせて我が福堀軽便鉄道の新型5インチゲージ機関車「D2」の製作記事をアップしますよ。ひとまず前の運転会に持ち込んだところまで。私の模型鉄道、福堀軽便鉄道については前記事を参照あれ。
コンセプトとかデザインとか
・愛車 スバルR2でも運びやすいように今まで車輌より小型化
・ホイルベール250mm以下にし、半径1mのカーブを通過可能
・単機でも楽しめる(車輌本体に乗って走れる)
・上記を満たしつつ機関車としても違和感がない外装
・走行装置は過去のDB10,レールバスのものを使い回す
という事を踏まえてまとまったの以下のイメージ。3DCAD、ではなく3DCGソフトのBlenderでさくっとモデリング。
単機で遊ぶ際はボンネットに人が座る事にしました。大体の寸法は長さ550mm、幅238mm、高さは線路上面から470mm。ホイルベースは余裕を持たせるために230mmにしました。
5インチゲージあるあるのナローゲージに多く見られる小型機関車の形。具体的にはプリムスHSGや魚梁瀬森林鉄道の野村式機関車あたりの雰囲気を出てきたかなと思います。
本当はもっとキャブを長く、ボンネットを短くしてずんぐりとした形にしたかったですが、単機で遊ぶ(ボンネットに座るため)ために少し長めにしました。私と似た体格以下の人ならボンネットに座れるはず。
反対側にもキャブがあるのは単機で運転する時にこちらが先頭になるため。CGでは作っていませんが、こちら側の床下には足置き用のステップがつきます。
モックアップ
大凡の寸法を決めたら今度はダンボールでモックアップ作り。まあ適当ですが、サイズの感覚が分かれば大丈夫なのでこれで良いんです。小学生でももっとまともなもの作るとか言わない。
そうやってすぐ線路に載せて遊ぶ……。
資材調達
寸法決めたら今度は材料を集めていきます。ただ走行装置は過去の車輌からの使い回しなので今回は下回りのフレームやボディの素材のみを手配。主には木工ですが、一部に金属も使いました。金属加工は福堀軽便鉄道開業から約15年以来初です。一体この期間何してたんだ……(映画ばかり作っていた)。
巨大なベニヤ合板をそのまま買ってもまず愛車(スバルR2)に乗らないので大きなパーツはあらかたホームセンターで切ってもらいました。カット図も面倒だったのでBlenderで作ってスクリーンショットを撮ったものを印刷して持ち込み(下図)。CAD使えよ。
あとはフレームで使う鉄パイプや補強用の金具やネジなどをちまちまと購入。鉄パイプは通販で必要な長さをオーダーして届けてもらいました。便利な時代ですね。
ボディの組み立て
ボンネットは木ネジと角材で補強しながら作っていきます。12mmのベニヤと30x30mmの角材を使用。人が乗るので時々体重をかけながら強度を確認しました。
それに対しキャブは4mmのシナベニヤと10x10mmの角材を木工ボンドだけで止めていきます。初めて作った機関車のDB10もこんな風に作っていました。成長していません。
ベランダを散らかしながら作っていました。線路はずっと置きっぱなしにしていますが大家さんにはまだ怒られていません。
外装が仕上がっていくのはこの上なく楽しいので少し進んでは仮組みして遊んでしまいます。良いんですよ、仕事じゃなくて趣味なんですから。まあだからなかなか完成しないのですが。この程度の工作で何ヶ月かけたんでしょう(笑)。
反対側のボディには後ろに運転士が乗る際にコントローラーのケーブルを這わせるための穴を用意。ただケーブルが短いので今は窓か屋根から出してます。
屋根については黒いポリプレートを接着。今は運転会の度に黒ガムで固定しています。単機運転の際にコントローラーのケーブルを通すための穴を開けてあります。
曲げ加工は写真のように現物合わせ。現物合わせで作っていったのはここだけに限らず、ほぼほぼ全てですけれども。
屋根とキャブ上部には電装機器をまとめる予定なので別パーツとです。バッテリーも交換しやすいですし、なんならバッテリー降ろさずに充電もできます。できるだけで実際は下ろして充電してますけど。ライト用の穴あけが大変でした。ボコボコなので3Dプリンタで枠を作って嵌める予定。
下回り、走行機器
フレームは12mmのベニヤ板と20x40の角鉄パイプを使用。
車輪やモーター、コントローラーはモデルニクスの2軸電車メカキットの1段減速2軸駆動。中学入学前後に買ったものなのでかれこれ15年前から使っているものですが、まだまだ走ります。錆びてますね……。
電動ドリルは小学生のときから使ってるのを未だに使っていますが、流石に刃は鉄工用のものを買いました。
今回の製作中にドリルが壊れてしまいました。回転を反転させるスイッチが効かなくなってしまったのです。中学1年生の頃から使っていたものなので、近々新しいものに変えるつもりだったの仕方がないでしょう。ただ、まだ手配してなかったので取り急ぎ分解して直してしまいました。
駆動はモーターからチェーンで駆動します。サイズは#25と小さいのですが(強引に)手持ちの自転車用チェーンカッターでうまくピンを抜いてホイルベースに合わせて短く加工。ただそれでも余裕がないのでテンショナーを取り付けています。こちらは市販の金具、ネジと3Dプリンタ製のスプロケットで構成するつもりでした。ただ、テンションをいい具合にすると歯飛びが多くなってしまったので雨戸のキャスターからプーリーをばらして使っています。ただ、少し幅が狭いのでいい感じのサイズのものをまた3Dプリンタで作り直すつもり。
単機運行用のステップもホームセンターで買ってきたL字金具をそのままネジで固定。
フレーム上面にはバッテリー固定やボディの位置決め金具が付きます。
下地と塗装
走行装置は何度も言うように15年選手。車軸などに錆が目立ってきたのでそれらを落とすために一度ばらしてから、塗装にかかります。
はい、真っ黒です。車輪は凹んでいるところは家にあった黄色のホビーカラーを塗りました。筆塗り下手くそなので耐水ペーパー1500番で磨きました。
下回りも黒です。木製部分は木工パテである程度木目を埋めた後、ヤスリを軽くかけてサーフェイサーを吹いて、またやすって、サーフェスサーを吹いて……を2回ぐらい繰り返しました。
上回りについても同じようパテ盛り→やすり→サーフェイサー→やすり→サーフェイサー→やすりまで施した後に本塗装をしました。
ちなみに正面はグリルはBlenderでモデリングしたものを3Dプリンタで出力、サイドのものは何かの時に使えると思って貰ってきた廃棄予定だったプロジェクターのフィルターです。
電装
前述の通り、走行機器はモデルニクス製。なのでコントローラもそれに付属しているもの。特に難しいものではありません。「キーン」という音がうるさいのですが、消す方法があるらしいのでこれは今後研究課題でしょう。
現状、他にある電装機器は屋根裏に仕込んだヘッドライトとブザーのみ。ブレッドボードを使っているので何か思いついた時に試せるようにしてます。 過去にはライトに懐中電灯をそのまま嵌め込んでみたりとしてましたが今回はバラして埋め込みみたいな事をしてます。
ブザーで遊んでいる図。
完成!!
とこうしてひとまず完成した新型機関車「D2」です。
愛車がR2なので並べると「R2」「D2」となって面白いかなと。丁度、2台(代?)目の(見かけ)ディーゼル機関車ですし。
我ながら可愛く仕上がったと思います。一番最初のDB機関車を作ろうとした時に実は今回の機関車みたいな形のものを作ろうとして、付属のチェーンが長く切断する技術がなく諦めたのを思い出します。15年越しの思いの結実、ということでしょうか。
参考に過去の動力車の写真も貼っておきます。左が記念すべき1号機関車「DB10」の初期。右がレールバス。
初運転!初運客!
さて、ここまでして完成し8月頭に長野・白馬にある「ログコテージエポック」さんの白馬ミニトレインパークで友人共々走らせて来ました。
ちなみにここで作ってきた電装の配線が弱々すぎたので全部剥ぐ事に。
そして8月下旬には愛知県つくで手作り村にあるつくで高原模型鉄道倶楽部さんにお邪魔してきました。こちらでは運客も行いましたが運転手含めて大人3人が限界かなと。
福知山ならもう少し引っ張れた気もしたんだけどなあ。ボンネットに重しを載せているとはいえ、それでも軽いのと重心の位置が偏ってるからか……。
前後のグリルにはフックを付けてあるのでヘッドマークも取り付けられます。それにこのマークはホワイトボードになっているのでイベントでも書き換え放題。イベントだとか来訪レイアウトの名前を書いて遊んでいます。
今後の改良予定(やり残し)
ここままで一通り機関車として走れるようになりましたけれども、まだまだやりたい事もあるので列挙しておきます。
・ボディ裏側の塗装
・より重いウェイトの搭載
・窓に何か貼る
・各種ディテールアップ
・電装のやり直し
・より長いコントローラーケーブルへの換装
・電気ブレーキの搭載
・走行時のキーンと言う音の解消(上にも書いた)
ディテールアップは3Dプリンタの不調で遅れていたので既に出力は終わっているパーツがあるのですが、やる気が出ていないので塗装と取り付けが出来ていません。
また一区切りするタイミングがあれば記事にまとめます。
それでは、また!
エア軽便鉄道模型祭、楽しみましょう!