今年もやってきました「Blender Advent Calendar」。このブログが完全にこの企画のための存在になっているような気がしますが気にしてはいけません。
今年の私の内容は昨年の記事でも少し触れたように長編の自主製作映画「俺ら、夏鳥」のCGパートのお話になります。一年越しの有言実行、偉い!
「俺ら、夏鳥」予告編とあらすじはこちら。
この映画が何の大会を目指す物語なのかは分かる方も多いとは思います。琵琶湖で人の力で飛ぶ飛行機の大会です。ただ、大人の事情で大会名は使えません。よって大会本番の様子を収録できるはずもありませんでした。
なので、この本番の飛行機をCGで作る事になるのは決定事項としてフォトリアルな3DCGを作る事を目標として。ただ、私自身がCGはかじっていたものの、基本、実写映画ばかりを撮っていたので最初はこの分野で活躍している方に手伝ってもらいながらの作業でした。
さて、今回のCGパートのワークフローはこんな感じ。
- 3DCADの機体データをもらう
- 上記データを元に本編カット用モデルを起こす(Maya & Blender)
- 動きをつけ、質感の追い込み(Maya & Blender)
- 実写素材等とのコンポジット作業(After Effects)
- 本編編集タイムラインへの組込(DaVinci Resolve)
※CGスタッフメンバーのMayaユーザーがいたため当初はMayaがメインツールになっていました。ただ最終的にはCGパートも私がまとめていたためBlenderがCGパートの主力となりました。
今回の作品には2機、説明カット用を含めると合計3つの人力飛行機の3DCGモデルが使われてますがいずれも私はモデリングしておらず、人力飛行機関係者が作ったモデルをお借りして加工してます。
左:主人公チームの機体「夜鷹」(ベース機体 首都大学東京鳥人間部T-MIT「 Elcano」)
右:ライバルチームの機体「カシオペア」(ベース機体 大阪府立大学 堺・風車の会「AZALEA」)
左の切り出しにある発進台もBlender界で名のしれた方にお願いしました。この中で私が作ったのはターンマーカーのコーンだけです。
アニメーションをつける作業に入ってからはある程度の進捗がある度に人力飛行機関係者に挙動を逐一見て貰いながら詰めていきました。
ここで納得のいく挙動ができた段階で本編で使用するアングルでカメラを設置して、必要な尺分を書き出し、After Effectsでコンポジット作業してカット単位でのフィニッシュ。後は本編のタイムラインに差し込んで完成!!
「俺ら、夏鳥」はDVDも作ったので買って下さい。ちゃんとフィルムでシュリンクしてあります! 購入希望の方は製作チーム「おとめ座蝶映河団」のブログ記事からお願いします。DVDには未使用カットを含むコンポジット前の3DCG映像を全部収録しているのでどんな処理をしているかも
最後に来年の製作予定を記しておきます。一番の目玉は全編4K収録、編集でVFX一切なしのヒューマンドラマ「僕のいる景色」になる見込みです。撮影は去年のGWに終わっているので鋭意編集中です。なのでCG方面はまた停滞になるかも……といいつつ何か作っているかもしれないのでその時にはそれを記事にする事になるでしょうか。
それでは明後日のBlendxJP4でお会いしましょう!